いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
――そして。
部屋に残された私と采斗を包む、重苦しい空気…
先に口を開いたのは采斗だった。
「ねえ、何で竜生と出かけたりなんかしたの?しかも俺に内緒で」
「そ、それは…」
チラ、と放置されたままのハンバーグを見た。
きっともう、完全に冷めちゃってるよね…
「…優里がそんな子だと思わなかった」
不機嫌に吐き捨てられた言葉に、チク、と胸が痛むと同時に、モヤモヤした。自分だって…
「采斗だってエマさんとデートしてたじゃん」
「あれはデートじゃない!!」
「どう見てもデートだったよ!?あーんなジュエリー屋さんで指輪選ぶなんてデートじゃなかったらなんなの!?」
「洋食屋だって十分デートっぽいだろ!!」
「デートじゃないよ!私とリュウが何かあるわけないでしょ!?」
采斗が大きく目を見開く。
「…リュウ!?何でそんな呼び方してんの!?いつの間に!?」
あ……
「ち、違う。リュウが同じ年だし本名で呼ばれるとバレるっていうから…!」
「…ふーん。デートの時にあいつがそう言ったの?」
「だからデートじゃ…!」
采斗が突然スマホを持って、どこかに電話をかけ始めた。
「ちょっこんな時にどこにかけてるの!?」
「竜生。ぶっ飛ばす」
「待ってー!」