いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「あー、くそっ…」
体を後ろ手で支えた采斗が天井を仰ぐ。
「ご、ごめん。やっぱりどこか痛い!?」
国宝級イケメンを傷物にしてしまったら私は…私は!!!
「違うから」
慌てる私を見て采斗が苦笑した。
「自己嫌悪してただけ。俺、ほんと優里のことになると何も見えなくなる、余裕なくしすぎだなーって。俺たちが喧嘩したって仕方ないよな」
采斗が「よいしょっ」という言葉と共に立ち上がって、私を見下ろした。
その瞳は、すっかりいつも通りの采斗の優しい瞳。
「ちょっと待っててくれる?」