いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「えっ!?」
突然!?
顔を上げると、采斗は予想外の真剣な表情で私を見ていた。
いや、というよりも
「だめ?」
見つめている、といった表現の方が正しい。やけに熱のこもった瞳で…。
「な、なんで突然ハンバーグの話から…」
「愛が溢れて止まらないから」
「アイっ!?」
「受け止めてください俺の愛」
「言い方…!」
そんな言い合いをしている間にも、采斗はじりじりと距離を詰めてくる。
トンッ、と采斗が私のすぐ後ろにあったソファに手をついた。
何これ!?
新手の胸キュン技!?
壁ドンの次はこれが流行るの!?
ドラマとかでヒーローがヒロインに「余計なこと考えてない?」
采斗がにっこりと、深い笑みを作る。
「い、いや…さすがに人気俳優は胸キュン技が最先端…」
パニくって変なことを口走る一般ピーポー。
「演技じゃこんなドキドキしないよ」
采斗がソファについている手とは反対側の手で私の手首を持ち、自分の胸に当ててくる。
キラ、と指輪が反射して。
あ…
「ドキドキ…してる」
「誰のせい?」
チュ、と重なった唇。
質問するくせに、答えさせる気はさらさらない。