いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「はぁー、最悪だ…」
俺のため息はそれほど高くない楽屋の天井にのまれて消える。
なんで。
こんな上の方の奴らの思惑で、たぶんきっと今、優里は悩んでるかもしれない。
「俺一本電話…」
できればラインよりは電話でちゃんと話したい。
でも都さんの思惑通り、最近の俺は仕事に忙殺されていてなかなかタイミングがつかめない。
深夜とか、授業中に電話するのも嫌だし…。
「残念だけど後にしてくれる?」
そんな俺に冷酷に都さんは告げる。
デビュー前から支えてくれている都さんには感謝してるし、尊敬もしてる。でも
「都さんだって彼氏から全然連絡こなかったら嫌でしょ!?」
「さあ?別に。忙しいのかな、と思うだけじゃない?」
こっち方面には驚くほどドライだ…!
「さ、立って。後で着替えればいいから、とりあえず出るわよ」
「ちょっと待ってって…!」
立ち上がったとき、手が滑って、スマホを思い切り床に落とした。
拾い上げて画面をタップするけど
「え…なんで。画面暗いままなんだけど」
壊れた!?