いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~





「……これ…何で……」




心臓が信じられないくらいバクバクしてる。声がうまく出ない。




「私の従妹が偶然見かけたみたいで、写真撮ってたんだってー。この時の乙藤竜生の洋服、雑誌に撮られた時と同じだし。熱愛疑惑の相手って柏木さんなんでしょ?」



「っお前なあ、ふざけんなよ!?こんなの柏木なわけねーだろ!?」




つかみかかる勢いで飛び出してきた一岡が、女子の手からスマホを取り上げた。




「どー見ても柏木さんだし。バカじゃん一岡?」



「うっせーな!こんな写真…消してやる!!」



「別にいいけど無駄だよ?けっこうもう、ネットで拡散されてるみたいだしー」




ネットで…拡散!?





ふら、と眩暈がした。



ふらついた私を咄嗟に稟琉が支えてくれる。




「大丈夫?優里」



「う…ん、ありがと…」





一瞬閉じていた瞳を開ける。



すると、教室の中からも、外からも、いやというほど視線が集まっているのが分かった。



中にはスマホを構えている子もいる。




「ねえ、あの子らしいよ?竜生の彼女ー」


「マジで!?ツイッターにあげよ」





「…っ、」




耐えきれなくなって、思わず教室を飛び出した。





< 134 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop