いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
バクバクとまるで耳元で心臓が鳴ってるみたいにうるさい。
血液がグルグルすごいスピードで体中を巡ってる。
好奇の視線というナイフで全身を刺されたみたいだった。
“こんな時ほんとにこの世界が嫌になる”
前に采斗が言っていた言葉が頭に浮かぶ。
采斗もこんな気持ちだったの…?
「あら、おかえり早かったのねー優里「ただいま、ごめん部屋にいる」
家に着くなり階段をかけあがって自分の部屋に入った。
震える手でスマホを取りだす。
何も考えずに采斗のケータイに電話をかけていた。でも
『おかけになった電話番号は、電源が入っていないか――』
「…っ何で…」
やっぱり繋がらない。