いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「ばかー…!」
こんなとき、誰よりも話したいのに。
その相手はテレビの中にはいても、手の届く所にはいてくれない。
八つ当たりみたいにスマホをベッドの上に放り投げたその時、スマホが鳴った。
「っ采斗!?」
すごい速さで放り投げたばかりのスマホを手に取る。
でも、電話の相手は采斗ではなくて
“リュウ”
画面にはそう表示されていた。
なんだ…とがっかりするのと同時に、嫌な予感に胸がざわつく。
もしかして采斗に何かあったとか!?
「も、もしもし!?」
緊張して電話に出ると
「やほ~、優里ちゃん元気~?」
いつも通りのんきなリュウの声がした。
なんだ…
采斗に何かあったわけじゃなさそう。
「……って沈黙ー?無視ー?おーい聞こえてるー?」
「…聞こえてる。何?突然」
「おー安定のドライモード…別にー、アヤとはうまくやってんのかなーと思って」