いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
ポンッと男の肩に後ろから手がのって
ぬっとサングラスをかけた男の人が現れた。
「はあ?誰だよあんた。校内じゃねーんだから学校の許可とかいらねーだろ」
私の手首をつかむ手とは反対の手で男がそれを振り払う。でも次の瞬間
「っぐ…!」
男の腕はいとも簡単に捻り上げられた。
「学校の許可?どーでもいいよそんなん。
俺の許可、得てねーだろって言ってんだけど」
サングラスが濃くて、その顔はよく見えない。
でも、この声…
間違いない。
私が聞き間違えるはずがない。
「人の彼女、許可なく勝手に触んないでくれる?」
サングラスを外す。
圧倒的な力差で男の腕を捻り上げているのに、その恐ろしく整った顔はとても涼しげ。
いや、涼し気通り越して――
「消すよ?お前ら」
氷点下。