いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「采斗…!!」
私の声に、パッと男の腕を離した采斗が、にっこり笑った。
「ごめんね優里、遅くなった」
***
―――1時間前。
「はぁあああ~…」
俺、結城采斗は失意のどん底にいた。
スマホが、ない。
優里に連絡できない。
さっき都さんに「スマホまだですか?」と聞いたら、「まだよ。たまにはデジタルデトックスしたら?」と軽く躱された。
っく、こんなことならタイミングが、とか言わずもっと早く優里に連絡しておけばよかった。
繋がる手段がないことがこんなにも辛いなんて思わなかった…
「アヤ、どうしたの?」
ドラマ撮影の空き時間、楽屋でゴロゴロする俺の所にやって来たエマ。
今もドラマで共演中。
最近エマとは、ほんとによく仕事が被る。