いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「あー…エマか…」
「何それ」
ふふっと笑ったエマがゴロゴロしている俺の隣に腰をおろした。
「…ねえ、最近なんか元気ないね」
「…まあ」
否定はしない。
元気ない、どころじゃないし実際。
いかに、今までの家に帰れば優里がいる生活が癒しだったのか、実感しかしない毎日。
あー。
あの少し硬めで、でも絹のようにサラサラの黒髪を撫でたい。
撫でたら決まって赤くなる顔を見たい。
キスする寸前の、ぎゅっと目を瞑った顔を見たい。
…会いたいなー、今すぐに。