いきなり人気俳優の婚約者になりました。～絶対秘密の同居生活～

「…もしかして、あの噂のこと…気にしてる？」



いつもハキハキと喋るエマが、珍しくこっちの様子を伺うように聞いてくる。



あの噂って




「…んー。まぁ別に。よくあることっちゃよくあることだし…」


「そっか」



エマが茶髪にピンクのメッシュが入った髪の毛を耳にかけた。




「あのね、私はデビューしてそんなに間もないし、こーゆうの初めてだけど、でも噂の相手がアヤなら……、いいかなって」



「………」



「…アヤ聞いてる？」



「え、あー、ごめん。ボーッとしてた。何？」



「だから…」




その時だった。



バンッ！と勢いよくドアが開いて、駆け込んできたのは竜生。




「アヤ！」


「え…何でお前がここに？今日オフ？」


「そう一か月ぶりのオフなんだよめっちゃレア…ってそんなことはどーでもいい！」




俺の目の前にやってきた竜生が、グイッとスマホを突き付けてきた。




「大変！これ、けっこーネットで拡散されてるみたい」



「……は？」




見ると、それは


竜生と優里が楽しそうに並んで歩く写真だった。