いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「ふーん」
つまらなそうに采斗が頭を掻いた。
「俺は全然バレても構わないけど?むしろ世間に公表したい。婚約しました、ってね」
そのまま近づいてきた采斗が流れるような動作で私の腰に腕をまわし引き寄せる。
「ちょっ…采斗!」
「……うん、すごくイイ」
「い、イイって何が…」
「制服姿の優里。すごい可愛いー」
「何バカなこと言ってんのっ…」
ていうか、それはこっちのセリフだ。
制服姿の采斗がかっこよすぎる。
制服自体も、さすが芸能コースのある学校なだけあってオシャレ。うちみたいなごく平凡な公立高校とは全然違う。
でも、それだけじゃなくて、采斗が着ると余計にかっこいいっていうか……采斗ってこんなにかっこよかったっけ?
「なに、俺に見惚れてんの?」
くす、と笑って采斗が顔を近づけてきた。
長い睫毛が目元に影を作って壮絶に色っぽい。
「このままキスしちゃう?」
「っっっ、ばかー!!!」
私は全力で身を捻って危険な腕の中から慌てて抜け出した。