いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「芸能界に入ったら優里が俺に振り向いてくれるかもって思ったのに、時間がなくて全然優里に会えないし、なんか、優里も俺のこと避けるし」
「そ、それは…」
采斗が芸能人になったとき、学校中大騒ぎだった。
それまでもモテてたけど、今までの比じゃなくて。
こんな私が采斗の幼なじみって知られるのも、なんとなく恥ずかしくて…なるべく学校で采斗に近づかないようにした。
「こんなはずじゃなかったのに、って死ぬほど思った」
「采斗…」
「俳優の仕事もやってみたら面白くて、今は大切だけど。でも俺は、日本で一番の俳優になるより、ずっと優里と早く結婚したいと思ってた」
「…へ!?」
突然ぶっこまれた爆弾発言に、私の口から間抜けな声が出る。
そんな私との距離を、采斗がわずかに詰めた。手が伸びてきて、私の頬を撫でる。
「だからこの状況はほんとに、願ったり叶ったりすぎて。俺は俺の運命に今、死ぬほど感謝してる」
「あ、やと…」
「好きだよ、優里。
俺の全部はいつも、優里のためにある」