いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
―――頭がうまく回らない。
采斗今…
「…私のこと好き…って言った…?」
「言ったし、今までも全力で伝えてきたつもりだけど。キスもしたでしょ?」
「そ、れはだって、芸能人のお戯れでは…」
「何それ。優里はいつも俺のこと、なんか“芸能人”って括りで話してくるけど。その前に俺は“結城采斗”だよ」
采斗の顔が近づいてきて、唇に吐息がかかる。
「…え…と。じゃあもしかして采斗って…ほんとに私のことが好き…なの?」
「うん、そうだよ」
「……なぜ?」
「理由?話し始めたら一晩は余裕でかかるけど、いい?」
「一晩!?」
どうしよう。
目の前の采斗が甘すぎて。
恋愛ドラマで甘いセリフを囁くYUUよりずっと、采斗が甘すぎて。
「…ね、優里は?」
少し掠れた声で、采斗が聞いてくる。
「俺のこと…好きじゃない?男として見れない?」
やめて…そんな切なそうな目で見ないで。
だって、もう、溢れそうになる。
ずっと前に封印した気持ちが…