いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~







―――頭がうまく回らない。




采斗今…




「…私のこと好き…って言った…?」



「言ったし、今までも全力で伝えてきたつもりだけど。キスもしたでしょ?」



「そ、れはだって、芸能人のお戯れでは…」



「何それ。優里はいつも俺のこと、なんか“芸能人”って括りで話してくるけど。その前に俺は“結城采斗”だよ」




采斗の顔が近づいてきて、唇に吐息がかかる。




「…え…と。じゃあもしかして采斗って…ほんとに私のことが好き…なの?」



「うん、そうだよ」



「……なぜ?」



「理由?話し始めたら一晩は余裕でかかるけど、いい?」



「一晩!?」





どうしよう。


目の前の采斗が甘すぎて。




恋愛ドラマで甘いセリフを囁くYUUよりずっと、采斗が甘すぎて。





「…ね、優里は?」




少し掠れた声で、采斗が聞いてくる。




「俺のこと…好きじゃない?男として見れない?」





やめて…そんな切なそうな目で見ないで。




だって、もう、溢れそうになる。




ずっと前に封印した気持ちが…





< 52 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop