いきなり人気俳優の婚約者になりました。～絶対秘密の同居生活～

「時々こういうことをするんです、YUUは。ストレスの多い世界ですから」



……想像したくないのに、勝手にイメージしてしまう。



佐保さんにキスする、采斗の姿。




「でも彼にとっては遊びです。私とのことも、貴方とのことも」



「………」





遊び……





「YUUは今、一番人気の俳優ですよ？そんな彼が、貴方のことを好きだと、本気で思いました？」




最後に聞こえたのは、佐保さんの嘲笑うかのようなそんな声。




気づいたら佐保さんの姿はなくなっていて。




私は長い間放心状態になっていたことに気づいた。





……心なしか体調もだいぶ悪くなっているような気がする…





「…同居を解消、か…」




私はベッドに寝転ぶと、布団を頭まで被った。




佐保さんに言われたこと…驚いたけど、よく考えるとその通りのことばかりだ。




この同居はリスクが大きい。



そして――





「優里ただいま！！」





ガチャッと玄関のドアが開く音に続けて、采斗の声がする。





うそ…采斗、今日帰ってくるの早くない！？