いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「優里っ大丈夫!?」
バタバタと珍しく慌てた様子の采斗の足音が近づいてくる。
私は慌てて布団を頭までかぶった。
「優里…寝てるの…?」
ドアが開いて采斗が近づいてくる気配がする。
寝たふりをしようかと思ったけど、采斗が布団を捲ろうとしているのが分かって、私は自分から顔を少しだけ出した。
「…起きてるよ。今日早いね…?」
「たまたま撮影が早く終わって、監督から飯でもって誘われたんだけど、都さんから優里が熱出して寝込んでるって聞いて飛んで帰ってきた。
いい機会だから、2人でゆっくり話でもしたらって」
「……そっか」
いい機会…か。
きっと、“同居の解消”について、話し合えってことだよね…。
「都さん、厳しいことも言うけどいい人だから。
俺も売れる前からずっとお世話になりっぱなしだし」
だけどそんなこと夢にも思っていないらしい采斗は、楽しそうにそんなことを言う。
「ていうか、ほんと大丈夫…?優里が熱出すとか珍しくない?」
「うん…どうしたんだろ」
「ちょっと、おでこ貸して」
采斗の綺麗な顔が近づいてきて、コツ、と額と額がぶつかった。