いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「……意味わかんない」
絞り出すような采斗の声は、恐ろしく低かった。
「優里は俺の気持ち、信じられないってこと?」
「っだって、ありえないもん…!采斗みたいな人気俳優が、私なんかのこと好きなんて…」
「俺が俳優だから信じられないの?俺が普通の人間だったら信じられたの?」
「それは…」
「そんなの意味わかんねーよ」
私に近づいてきた采斗が、グイッと私を抱きしめる。
「何で…信じてくれないの」
采斗……
采斗の背中に手を回しそうになったその瞬間、頭の中によみがえった声。
『あんなフッツーの子が采斗の幼なじみなんてもったいなーい、不釣り合いすぎて采斗かわいそー』
もう…あんな思いはしたくない…
私は采斗の背中に回そうとした手で、采斗の肩をつかんで、そっと離した。
「優里?」
「嘘をつくのも一流…なんでしょ?」