いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~






言った瞬間、しまったと思った。


そのくらい切なく、采斗がギュッと目を細めた。




「なんだよ…それ。本気で言ってんの?」



でも、出てしまった言葉はもう取り消せない。



黙り込む私に、采斗が「は」と自嘲的に笑う。




「はじめてだ…自分の仕事が、こんなに憎らしいと思ったの」



「…あや、と」



「……ごめん」





采斗が私から離れる。




「頭冷やしてくる」




バタン、とやけに大きく、ドアが閉まる音が響いた。





< 69 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop