いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「…一岡ってさ、いい奴だね」
「…ゴホッ、なんだよ急に」
麺を勢いよくすすっていた一岡が咽ながら私を見た。
「今日は一人になりたい気分だったから、一岡に無理やり電車乗るの阻止された時、ちょっとウザいなって思ったんだけど」
「……マジか」
「でもやっぱり来てよかった。なんかちょっと、明るくなった。こんなおいしいラーメンにも巡り合えたし」
「……そっか」
「うん。一岡が友達でよかった!ありがと」
笑ってお礼を言った私に、なぜか複雑そうな顔をして視線を逸らす一岡。
「…友達、か」
「うん。でしょ?」
高校に入学して、まず稟琉と仲良くなって、それから稟琉の幼なじみである一岡ともよく話すようになった。
気づいたら、よく3人で行動するようになってて。
はじめは稟琉越しの付き合いだったけど、今は立派に、私と一岡も友達同士なんだって言える。
「…あのさ」
「ん?わっ、この煮卵おいし…」
「おまえって好きな奴いるの?」