いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
ブーッ、と机の上に置いていたスマホが震えた。
見ると、
「采斗…」
采斗からのメッセージが一件。思わずタップする。
【あの公園で待ってる。優里と話したい。来てくれるまでずっと待ってるから】
「…もしかして幼なじみ?」
「…うん」
「なんて?」
「待ってるって」
「待ってる、か。お前が来いよ!と言ってやりたいとこだけど」
一岡がまだ半分も食べ終わっていない私の味噌ラーメンを奪った。
「柏木食べるの遅すぎて麺のびそうだから俺が食っとくわ」
「え…何、急に」
「誰かに背中押してもらえなきゃ走れなそうな顔してるから、しゃーなし、俺が押してやるよ」
一岡がふっと笑う。
「行けよ柏木。走って行け!」