いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
一緒にいたい
「采斗っ…!」
私が駆け付けた時、采斗はベンチに座って、砂場で遊んでいる子供たちをぼんやり見ていた。
「優里!」
立ち上がる采斗。
「よかった…来てくれないんじゃないかと思った」
「……ごめんね。勝手に出ていって」
「…家帰って優里がいなくて、あの手紙見たとき本気で心臓止まるかと思った」
私に近づいて腕を伸ばした采斗が…
それを堪えるように、ぐっと手を握って、伸ばしかけた腕をぎこちなくポケットに突っ込んだ。
「…でも、よかった。公園で分かってくれて」
「そりゃ…わかるよ。私と采斗にとって公園っていったら、ここしかないもん」
小さい頃、毎日のように2人で遊んだ公園。そして、
「采斗が雪かき分けて私の指輪探してくれたのも、この公園だったよね」
「うん、そーだね」
ふっと采斗が笑う。
「俺が指輪見つけて優里に渡しいった時、優里すっごい喜んでたのに、すっごい心配そうな顔して。
手が真っ赤っか!って言って、俺の手ずっと擦ってくれたよね」
「…え、そうだっけ?」
「そうだよ。たぶんあれがはじめての胸キュンかも」
「胸キュ…!?」
「俺、あの頃からずっと優里のことが好きだよ」