いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
「……………」
黙ったままの采斗。
「采…、っ!?」
顔を上げようとした私の後頭部をグイッと強い力でつかむと、采斗が自分の胸に押し付けた。
「待って。今顔上げないで。俺絶対今…すっごい顔赤いから」
「え…」
「…信じらんね。どんなに大きい仕事もらっても、誰に褒められてもこんな感情になったことない。
知らなかった。こんな…想像以上に」
采斗がまるで慈しむみたいに、私の首元に顔をうずめた。
「嬉しすぎて死ぬ…
俺が初恋ってほんとに?」
「うん…ほんとだよ」
采斗の手からゆっくりと力が抜ける。
顔を上げた私と采斗の視線が絡み合う。
「…私ね、いっぱい考えた。私なんかが采斗と一緒にいる資格ないって。だけど、思ったんだ。
やっぱり私は、周りにどう思われたって采斗のこと好きだから。
世界中敵にまわしても、采斗と一緒にいたいって」