いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
朝ごはんを食べ終わり、せめてでも、と洗い物は私が買って出た。
制服に着替えて、髪の毛をとかして、ストレートアイロンで軽く内巻きにする。メイクはしない。
「よしっ、準備完了!」
玄関で靴を履こうとしたときだった。
…なんか私の靴…こんなにピカピカだったっけ!?
「自分の磨くついでに、磨いといたよ」
振り向くと、まだ部屋着姿の采斗が壁に寄りかかっていた。
「いいよ!自分のは自分でやるから…!」
「遠慮しないでいいよ。俺、将来の優里の旦那なわけだし」
「だ、だんっ…!?」
「それよりもう学校行くの?早くない?」
「ここから通うのは初めてだから一応早めに出ようかと…」
「ふーん、じゃあちょっと待っててよ。俺もすぐ支度するから、一緒に家出よ?」
「え…」
私は想像してみた。
一緒にマンションを出る2人の姿を――
瞬間、潜んでいたマスコミに囲まれる私たち!!
『YUUさん!どういうことなんですか!?今をときめく人気俳優が、なぜこんなどっ…こにでもいそうな平凡女と同じマンションから出てきたんですか!?』
『というかむしろ平均値以下のブスじゃないですか!?ブス専なんですかYUUさん!!」
『YUUさん!何かおっしゃってください!これは全国のファンへの裏切りですよ!!』
…ダメだ!
絶対に
ダ メ !!!