いきなり人気俳優の婚約者になりました。~絶対秘密の同居生活~
いつの間にか私のすぐ目の前まで来た乙藤竜生が、屈みこむようにして私と瞳を合わせる。
こ、このイケメン…
距離感がおかしくない!?
「君の名前は?」
「…か、柏木優里、ですけど…」
わずかに背をのけぞらせながら答えると
「柏木…優里?」
ふっと切れ長の瞳をさらに細めて、一瞬、何か考え込むような表情をした。でも、すぐに笑みを浮かべて
「…へぇ。なるほどね、ふーん」
顎に手を当てて観察するように私を見る。
「な、なんですか…?」
なんか更に距離が近くなってるような…!
「いや、意外だなーと思ってさ?君がアヤを、アヤにした女の子なんだろ?」
「…え?」
まるでナゾナゾみたいな乙藤竜生の言葉に首を傾げたその時
「近い!!!!!」
聞いたことのないくらい大きな声と共に、采斗が乙藤竜生を私から引き剥がした。