私があなたを殺してあげる
あなたのぶんまで生きる
1
「んん? あれ・・・?」
私はゆっくりと目を開ける。
白い壁にクリーム色のカーテン、ここはどうやら病室のようだ。
「目覚めたか?」
そこには制服を着た女警察官が立っている。
ここは警察病院の一室らしい。
「私は、何を・・・」
頭がボーっとして状況を把握できなかったが、はっと我に返った。
「智明は?」
「彼なら大丈夫、生きている」
「生きてる・・・ そう・・・」
智明を楽にさせてあげられなかったのか・・・
なんだかホッとしたような、けど、智明を解放してあげられなかったことに胸は痛む。
警察官の話によると、私も危ない状況だったらしい、しかしなんとか一命を取りとめたのだと。
「あなたに手紙だ」
「私に?」
警官の人が、私に一通の手紙を手渡してくれた。なんとそれは、智明の母親からのものだった。
手紙を開くと、まず一行目にこう書かれてあった。
『あなたに大変な辛い思いをさせたこと、本当に申し訳ありません』と。
自分の息子を殺そうとした女に、何故こんなことを書く? 私は更に読み進める。
『あなたは智明のことを思って、そうしてくれたんですよね? 本当は私たち家族が、こうなる前に何とかしなければいけなかったんです。やさしい息子に甘えて、息子が苦しむ姿を見過ごして来た。だからあなたが智明を楽にしようとしてくれた。とても辛い思いを任せてしまって、本当に申し訳ありませんでした。それから智明のこと、気になっているでしょうからお伝えしておきます。智明は生きています、発見が早く、一命を取り止めたのです』
その文を見て、私は涙が溢れ出た。
殺して、楽にしてあげようとしていたのに、生きていると知ればうれしくて、涙がどんどんと込み上げてくる。
私はゆっくりと目を開ける。
白い壁にクリーム色のカーテン、ここはどうやら病室のようだ。
「目覚めたか?」
そこには制服を着た女警察官が立っている。
ここは警察病院の一室らしい。
「私は、何を・・・」
頭がボーっとして状況を把握できなかったが、はっと我に返った。
「智明は?」
「彼なら大丈夫、生きている」
「生きてる・・・ そう・・・」
智明を楽にさせてあげられなかったのか・・・
なんだかホッとしたような、けど、智明を解放してあげられなかったことに胸は痛む。
警察官の話によると、私も危ない状況だったらしい、しかしなんとか一命を取りとめたのだと。
「あなたに手紙だ」
「私に?」
警官の人が、私に一通の手紙を手渡してくれた。なんとそれは、智明の母親からのものだった。
手紙を開くと、まず一行目にこう書かれてあった。
『あなたに大変な辛い思いをさせたこと、本当に申し訳ありません』と。
自分の息子を殺そうとした女に、何故こんなことを書く? 私は更に読み進める。
『あなたは智明のことを思って、そうしてくれたんですよね? 本当は私たち家族が、こうなる前に何とかしなければいけなかったんです。やさしい息子に甘えて、息子が苦しむ姿を見過ごして来た。だからあなたが智明を楽にしようとしてくれた。とても辛い思いを任せてしまって、本当に申し訳ありませんでした。それから智明のこと、気になっているでしょうからお伝えしておきます。智明は生きています、発見が早く、一命を取り止めたのです』
その文を見て、私は涙が溢れ出た。
殺して、楽にしてあげようとしていたのに、生きていると知ればうれしくて、涙がどんどんと込み上げてくる。