悪女は恋人たちを手放した。恋人たちはそれを許さなかった。
「いや、えっと」
思い当たる節はある。だが、それをどうやってカオリさんに伝えればいいのかわからない。
恋かはわからないが、私には確かに恋人が3人もいる。
夢の中でだが。
それが現実に影響を与えているってこと?
え?嘘?
確かに気持ち的には現実でも彼らのおかげで満たされていたけど。
それをカオリさんに伝えるのはどうだろうか。夢で恋人が3人もいます?痛すぎませんか。
「思い当たる節はあるんですけど…」
「うんうん」
「ちょっとどう伝えればいいか」
「え?もしかして未成年に手ぇ出しちゃった?」
「ん!」
どう伝えようかと悩んで言葉を選んでいるとカオリさんにとんでもない勘違いをされて変な声をあげてしまった。
でもルークは現実でなら高校3年生、未成年。
あながち間違ってはいない。
「違います!いや、違わないんですけど!違いますから!」
未だに何と言えばいいのかわからなかったがとりあえずカオリさんの言葉を否定する為に私はまた声をあげた。