悪女は恋人たちを手放した。恋人たちはそれを許さなかった。
望まない快楽が怖い。助けて欲しい。
彼らは私の恋人という名で囚われている者。私には絶対逆らえないはずなのに。
「…め、いれい、よ、やめ、な、さい」
「止まないよ」
リアムとのキスを合間を縫って私は何とか言葉を発した。だが、リアムはにっこりと微笑むとそれをバッサリと切り捨てた。
「今夜は眠らせないから」
リアムが微笑む。
「楽しい夜にしようね、エマ」
ルークが愛らしく笑う。
「絶対に離さない」
レオが甘く囁く。
全員からの熱い視線を感じ、私は身震いした。
私はきっとこの望まない快楽に耐えられない。
これは私の夢だ。
だからどうかお願い。今すぐ私をこの夢から目覚めさせて。