悪女は恋人たちを手放した。恋人たちはそれを許さなかった。
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意識が覚醒する。
「…」
目覚めた場所は私の部屋で私は今ソファに1人で座っているようだった。すぐに状況を確認する為に周りを見渡したが、恋人たちがいる気配はない。
「今の時間帯と今私が何をしていたのかを説明してちょうだい」
いつもなら自分である程度は把握してあとは流れに身を任せるが今日は時間内に目的を果たさなければならなかったので近くにいたメイドに今の状況について急いで確認する。
「ただいまの時刻は午後1時でございます。エマ様はレオ様との昼食を終えここで休憩をしている所でございました」
「…この後のリアムたちとの予定はどうなっているのかしら?」
「本日は午後からリアム様と過ごされる予定になっております」
「…そう。それを変更するわ。午後はリアム、ルーク、レオと30分から1時間ほど1人ずつここで面談をするわ。都合のつく者から呼びなさい。いいわね?」
「かしこまりました」
メイドから細かい状況を聞き出した後、私はすぐに今日の日程の変更を命じた。
するとメイドは礼儀正しく一礼して部屋から出て行った。
これでまずは環境の設定ができたので一安心だ。
昨晩のような訳のわからない状態からの覚醒ではなくよかった。
都合の合う者からと私は言ったのでおそらく一番にこの部屋に通されるのはリアムだ。
どんなことになるかはわからない。
だが、私は必ず今度こそ彼らを解放してみせる。
ドクドクと緊張で心臓がうるさい中、私は両手を思いっきり握りしめてリアムを1人待った。
そして10分もしない内に扉をノックする音がこの部屋に響いた。