悪女は恋人たちを手放した。恋人たちはそれを許さなかった。
7.甘い夢から逃れられない
夢の真相と恋人たち
レオとの面談が終わると、私はすぐに眠たくなり、瞼を閉じた。
「…」
そして私はあの夢から目覚めた。
眠りについたあの時よりも部屋は暗く、その暗さがどれ程の時間自分が寝ていたのか伝える。
5時間は寝ていたのだろうか。時間を確認する為に部屋の灯りをつけ、時計を確認すると目に入って来た時刻は18時だった。
布団から体を起こしてとりあえずキッチンへ向かう。
喉が渇いた。寝ている間体も緊張状態にあったようで随分水分を欲している自分がいる。
冷蔵庫から水を出すとコップに並々注いでそれを私は一気に飲み干した。
そして私は一息ついたところで冷蔵庫に体重を預けて夢について考え始めた。
私は逃げなければならない。
リアムとルークとレオの目の前から。そうでなければ彼らはずっと狂ったままだ。
あれは私の夢だ。私の都合のよい夢。私が彼らがああなることを望んだのか。いや、そんなことはない。そんな非人道的なこと私は望まない。
でも私の思い通りにはいかない。だからせめて彼らの為に逃げるのだ。
私は姫だ。魔術の力もある。だから…
「…っ」
そう考えた所で私は目を見開いた。
初めてじゃない。
こんなことを考えたのは初めてではない。
前も同じように考えた。
そうだ。何故、忘れていたのか。