蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集
お弁当に込めた想い
☆心美side☆
次の朝。
綺月君、千柳さんのお家に
帰ってこなかったな……
朝ごはんを作る雪那ちゃんの隣で、
私はみんなのお弁当を作った。
食べてくれるかわからないけれど、
綺月君の分も。
洗濯物を干し終えた、天音君と千柳さんも
ダイニングにやって来て。
「僕、明日は朝食作る係にして」と
天音君は、疲れ果てたように壁にもたれ。
「明日は、男だけで料理しちゃう?」と
ルンルン声を放った千柳さんを、
ギロリと睨みつけている。
「僕は、千柳さんと家事をするのが
嫌って言ってるの!」
「なんで~?」
「朝から、ノロケがウザいから!」
「あれはノロケじゃなくて、
雪那との甘いラブストーリーなの」
千柳さんに、ウインクを飛ばされた天音君は
両手で腕を抱えて
「キモイ!キモイ!」と、震えている。