蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集

お弁当に込めた想い




☆心美side☆

 次の朝。


 綺月君、千柳さんのお家に
 帰ってこなかったな……



 朝ごはんを作る雪那ちゃんの隣で、
 私はみんなのお弁当を作った。

 食べてくれるかわからないけれど、
 綺月君の分も。


 
 洗濯物を干し終えた、天音君と千柳さんも
 ダイニングにやって来て。


「僕、明日は朝食作る係にして」と

 天音君は、疲れ果てたように壁にもたれ。


「明日は、男だけで料理しちゃう?」と

 ルンルン声を放った千柳さんを、
 ギロリと睨みつけている。




「僕は、千柳さんと家事をするのが
 嫌って言ってるの!」


「なんで~?」


「朝から、ノロケがウザいから!」


「あれはノロケじゃなくて、
 雪那との甘いラブストーリーなの」



 千柳さんに、ウインクを飛ばされた天音君は

 両手で腕を抱えて
 「キモイ!キモイ!」と、震えている。

< 101 / 223 >

この作品をシェア

pagetop