蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集



「今のメロディは、俺たちの結婚式で
 指輪を交換するとき用だからな」


 ふぇ?


「永遠を誓う指輪は、今、あげられないから。
 それまでは、これで我慢して」




 綺月君がポケットから取り出したのは

 紅色と黒い十字架が光る、ネックレス。



 抱きしめるように後ろに手を回し

 綺月君は、私の首にかけてくれた。




 中3のアニメイベントで出会ってから、
 ずっと私達を繋いでくれている宝物。
 

 優しく包み込むように握りしめ。
 
 私は、綺月君を見上げ、微笑んでみる。




「綺月君に、
 ずっと好きでいてもらえるように。
 私も努力するね」


「今のままの心美でいいって、言ったろ?」


「そうだけど……」



 アイドルとして
 ステージでキラキラ輝く綺月君と、
 釣り合う女性になりたいし。

< 184 / 223 >

この作品をシェア

pagetop