蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集
「今のメロディは、俺たちの結婚式で
指輪を交換するとき用だからな」
ふぇ?
「永遠を誓う指輪は、今、あげられないから。
それまでは、これで我慢して」
綺月君がポケットから取り出したのは
紅色と黒い十字架が光る、ネックレス。
抱きしめるように後ろに手を回し
綺月君は、私の首にかけてくれた。
中3のアニメイベントで出会ってから、
ずっと私達を繋いでくれている宝物。
優しく包み込むように握りしめ。
私は、綺月君を見上げ、微笑んでみる。
「綺月君に、
ずっと好きでいてもらえるように。
私も努力するね」
「今のままの心美でいいって、言ったろ?」
「そうだけど……」
アイドルとして
ステージでキラキラ輝く綺月君と、
釣り合う女性になりたいし。