蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集
不安げに綺月君の裾を掴んでいた
私の手は
いつの間にか
温かい手のひらで包まれていて。
嬉しくて。
飛び跳ねたいくらい嬉しくて。
でも、ウサギになる勇気はなくて。
綺月君の手を、強く握り返した。
「その代わり、俺が目の前にいる時は、
ちゃんと俺を見ろよ」
「ポスターの綺月君を見たら、どうなるの?」
「こうなる!」
綺月君は私の首の後ろに手を置き。
強く、私を引き寄せた。
奪うように重ねられた唇。
綺月君らしい強引さに、脳がやられ。
ドキドキに耐えられなくて
心臓が破裂しそう。