蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集
最近、重い前髪を切って。
長い後ろ髪もばっさばっさ切って。
美少女と間違われる美顔をさらし、
ゾルックに加わった天音。
そんな天使を、
ミーハー女子高生たちが見逃すはずもなく。
こいつが俺の隣に来るだけで
群がる女子の輪が、
『古株年輪か!』ってほど、ぐるぐるに。
ほら、教室だけじゃなく、
廊下にいた女子も
集まってきちゃったじゃねぇか。
救世主を期待した俺が、バカだったよと
肩を落とした、俺だったけれど……
「みんな、ごめんね。
綺月君のこと、借りてもいい?」
ファンに手を合わせ
可愛くおねだりをする天音が、
本当の救世主に見えてきた。