Livre magie〜今世の幼なじみ〜

一 幸せな夜と悪夢

小説兼魔法使いである僕ノワールは、兄のリオンと両親、そして最近家で暮らし始めた魔女のエリカと共に夕食を楽しんでいた。

テーブルの上には、柔らかい白パンにサラダ、そしてビーフシチューが並べられている。全部エリカと母さんが作ったものだ。僕にリオン、父さんは料理のセンスが全くなくて、料理を作ることになればキッチンをめちゃくちゃに汚すか、レシピ通りに作ってもダークマターしか生まれないという理由で、キッチンに入ることを禁じられている。

「エリカちゃん、お料理が上手で本当に嬉しいわ！うちの男共は本当にダメね。私が先に死んだら生きていけないわ」

母さんがそう言い、エリカが「そんなことないですよ！ノワールたちだって、私たちがしっかり監督を務めれば一つくらい料理が作れるようになりますよ〜」とフォローしてくれる。でも、料理大好きな母さんは即座に首を横に振った。

「ダメダメ！前に一回、この三人を監督して料理をさせたら、やっぱりダークマターしかできなかったんだもの！パイを作らせたつもりだったのに、あの未知の料理は何をどうしたらできたのかしら？」