Livre magie〜今世の幼なじみ〜
「初めまして、メルキュールと言います。職業は詩人で、歳は十八歳です」

メルキュールは自己紹介をし、ペコリとお辞儀をする。当然、異世界から転生したということは言わなかった。

本当は、僕はずっとメルキュールを知っていて、彼が一番僕を知っている幼なじみ兼親友なんだって二人に言いたい。でも、異世界やら前世なんて信じてもらえないだろうし、黙っておくしかないんだよね。

メルキュールは、リオンやエリカと仲良く話をし始め、僕の大切な人たちに溶け込んでくれたことにホッとする。まあ、彼は前世から人と関わるなら不得意ではなかったね。

リオンとエリカと話す姿を見て、ふと思った。メルキュールって家があるのかな?隣国で暮らしていたとは聞いたけど……。

僕の考えていることがわかったのか、メルキュールがそっと近づいてくる。そして、耳元で言った。

「僕、家があるのって隣国なんだ。でも貧乏でお金がないんだよね。ということで、お世話になります」

「はあ!?」

我が家で暮らす居候がまた一人増えました。
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