Livre magie〜今世の幼なじみ〜
そんなことを話しながら皿洗いをしていると、コンコンと家のドアがノックされ、ソファでくつろいでいた母さんが「は〜い」と言いながら立ち上がる。

「こんばんは、夜にすみません」

家を訪ねてきたのは、魔法警察であるオズワルドさんだった。片手に本を持って立っている。事件の調査依頼だと僕とリオンは顔を見合わせる。

「こんばんは、オズワルドさん」

皿洗いの手を止め、僕たちは挨拶をする。エリカがお茶を淹れるために立ち上がり、キッチンへと入っていった。

「この本に人が閉じ込められているんだ。助けてあげてほしい」

そう言い、オズワルドさんが僕たちに手渡したのは、僕の書いた「それは、綺麗な青空だった」だ。黒い表紙に青い文字でタイトルが書かれている。

この話は、うつ病を患い自殺をしようとする主人公とそれを止めようとする親友の物語だ。必死に親友は説得をするけど主人公の心に届くことはなく、親友の心も疲れ果て、最後は二人で死を選ぶというもの。
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