Livre magie〜今世の幼なじみ〜

二 再開

朝の八時頃、ようやく心が落ち着いた僕が家に戻ると、父さんたちはもう街へ出かけて行った後だった。

「かなり朝早くに出発したみたい。魔法で行けばあっという間なんだけどな〜」

リオンがコーヒーを飲みながら言い、エリカが「きっと二人で散歩を楽しみたいんだと思いますよ」と笑いながら返していた。

エリカが作ってくれた朝ご飯は、やっぱりおいしい。サクサクのクロワッサンにふわふわの卵のオムレツ、レタスとスライスオニオンがたっぷり入ったツナサラダ、どれもおいしくてあっという間に食べてしまう。

食べている最中、エリカと何度も目が合った。そのたびにエリカは優しく微笑んでくれて、僕はどうしたらいいかわからなくなる。胸がギュッと音を立てるんだ。

胸がドキドキして、このままじゃ止まってしまうんじゃないかなって心配になる。そこで僕は、昨日オズワルドさんが持ってきた本に目を向けることにした。うん、これならドキドキしない。