天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「七号とお聞きしておりましたので、こちらのあたりです」


 スタッフの言葉に、陽貴さんは私の背中を促す。


「急だったけど、今日ならなんとかなると聞いたから。どれでも好きなドレスを選んで」
「え?」
「そうだなー。これなんか、どうだ?」


 彼はマイペースにドレスを選び始めるが、私は目をぱちくりしていた。


「季帆?」
「今日って?」
「これから式を挙げるんだ。東京からどちらの両親にも来てもらってる」


 彼の返事に完全に固まる。

 だって、式を挙げるって……。
 しかも両親も招待済みなの?


「ごめん。勝手に決めて嫌だった?」
「ううん。すごくうれしい。でも、びっくりして」


 私は激しく首を横に振った。嫌なわけがない。


「本当は、挙式は別の機会にと思ってたんだけど、ここの教会の写真を見たら、季帆は好きだろうなと思って」


 その通りだ。
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