天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
　地平線が見える最高のロケーションに、白亜のチャペル。

　おとぎ話に出てきそうな最高のシチュエーションに胸が高鳴り通しだもの。


「今、脳外科医足りないだろ？　休暇が取れるかどうかギリギリまでわからなかったから、ダメだったときにがっかりするだろうなと思って秘密にしておいた」

「そうだったんだ」


　まったく気がつかなかった。


「双方の両親に沖縄に来てほしいとお願いしたら快諾してくれた。でも俺の事情も話してキャンセルになったら季帆がかわいそうでと相談したら、季帆のお母さんがそれなら秘密にしておいて、サプライズにしたらいいじゃないって」


　お母さんが？


「飛行機に乗った時点で明かすつもりだったけど、いっそ当日まで内緒にしようかなって。そのほうが季帆のびっくりした顔を見られそうだったし」


　彼は少し首を傾げて私の頬に触れる。

　思惑通りになったというわけだ。
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