天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 でも、最高に幸せだ。


「ありがとう、陽貴さん」


 私は彼の胸に飛び込んだ。


 それから私は数々のドレスを前に、迷いに迷ってオフショルダーのプリンセスラインのドレスに決めた。
 陽貴さんは白いフロックコートだ。

 早速メイクをしてもらいドレスを身に纏うと、感動が胸に広がった。

 陽貴さんの仕事は不規則で簡単に休暇は取れないし、ひとりの夜が寂しいと思うこともしばしばだけど、昨日のように救命に全力を傾ける彼が自慢だ。

 どこかであきらめていた新婚旅行も挙式も、一度に叶えてくれる彼の優しさに胸がいっぱいだった。


 そこへ着替えた陽貴さんが姿を現した。
 彼は私を見て、何度も何度もうなずいている。


「こんなにきれいな花嫁が俺だけのものなんて、最高だ」
「ありがとう」


 スタイルのいい陽貴さんはなんでも着こなす。
 今日のフロックコート姿も完璧だ。


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