天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「今日は香月さんに謝罪に来たの。オペ室勤務の草野という看護師が、あなたに暴言を吐いたと聞いて」


 昨日の件がもう総師長の耳に入っているの?


「大丈夫です。それに総師長の責任ではありませんから」

「ううん。私の監督不行き届きよ。草野に関しては、ドクターからもいろいろ苦情があってね。それで先ほど呼び出して話を聞いた。でも、どれひとつとして納得できる答えはなくて、看護師の業務から外れてもらうことにしました」

「えっ……」


 まさかそんな大事になっているとは。


「こんな辞令は初めてなんだけど、オペに支障が出ているのは明白だし、オペ室の師長の指導にも聞く耳を持たない人を、命に関わる現場には置いておけない。看護助手として器具の滅菌作業などに携わってもらいます」


 使用した器具の洗浄や滅菌作業もオペ看の仕事だが、立て続けに手術が入ると手が回らない。

< 163 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop