天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 他にはほうれん草とベーコンのサラダや、コーンスープを用意した。


「陽貴さん」


 彼の顔をのぞき込み、小声で声をかける。

 このまま眠らせてあげたい気もするが、今日はこっそり渡したお弁当も食べる暇がなかったようで、肉巻きおにぎりがほんの少しかじってあるだけだった。

 お腹が空いているに違いない。


「このまま寝る?」


 サラサラの彼の髪に触れながら問うと、腕をガシッと捕まれてソファに座らされ、あっという間に膝枕をする羽目になった。


「陽貴さん?」
「疲れたときはこれが一番。季帆の太もも最高」


 目を閉じたままささやき、右手を私のスカートの中に滑らせて私の太ももを撫でる。


「ちょっ……」
「どうした? 感じてる?」
「違っ!」


 否定したが、目が泳ぐ。
 彼に触れられると体の奥が疼いて仕方ないのだ。
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