天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「いいんだよ、感じて。俺がそうなるようにしつけたんだし」


 ドクンドクンと大きく打ちだした鼓動が聞こえてしまわないか心配になっていると、目を開いた彼はニヤリと笑って私と視線を合わせる。


「困った季帆もかわいい。季帆がいればどんなことでも頑張れる」


 彼は私の腰に手を回して、甘えるように抱きついてきた。


「陽貴さん?」
「ふー。充電完了。今日、チキン南蛮だろ?」
「どうしてわかったの?」
「わかるだろ。このいい匂い」


 甘酢ダレのにおいがするのか。私はずっと作っていたので気にならなかった。

 ようやく起き上がった彼は、うーんと伸びをした。

 チキン南蛮は大好評で、やはりお腹が空いていた彼はご飯を二度もお代わりした。


 お風呂を出たあとふたりでベッドに入ると、すぐに抱き寄せられる。


「昨日、寂しかった?」
「一日くらい、平気……んっ」


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