天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「季帆が片山さんに関わるのを見ていて、反省したよ。門脇に患部だけじゃなくて人を診ろと注意したくせして、自分ができてないなと」


 私はすぐさま首を横に振った。


「陽貴さんはしっかり向き合ってるよ。安田さんが出ていったとき私を止めたのは、片山さんの胸の内がわかっていたからでしょ? 陽貴さんは患部を治すという大きな仕事があるんだから、私に手伝えるところは任せて」

「ありがと。やっぱり季帆は最高の妻だ。もちろん、仕事のパートナーとしても」


 彼は不意に私の肩を抱く。


「ちょっ、誰か来るって」
「一日帰れないだけで、季帆不足だ。もうちょっとエネルギーチャージさせて」


 本当は私も寂しかったので、コクンとうなずいてしばらくそのままでいた。



 片山さんのお母さんが病棟に姿を現したのは十六時過ぎ。
 ちょうど陽貴さんが処置からナースステーションに戻ってきていた。


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