天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「私は大丈夫です。片山さんの勇気に胸が震えました。できることはお手伝いさせてください」


 私がお母さんに伝えると、陽貴さんも笑顔でうなずいていた。

 その後、私にも付き添ってほしいと望むお母さんとともに病室に向かった。
 陽貴さんは廊下で待機するつもりらしい。

 大きく深呼吸したお母さんと一緒に病室に足を踏み入れると、片山さんは一瞬目を大きくしたがすぐにいつもの表情に戻った。


「翼、顔色がよくなったわね」
「母さんは寝てるの? 顔色悪くなってるけど」


 ぶっきらぼうな物言いではあったが、心配しているのは伝わってくる。
 そこでふたりとも黙ってしまったため、私が口を挟む。


「今日も片山プリン参上ですよ。蓋、開けましょうか。あっ、在庫から先にね」


 私は冷蔵庫にあったプリンを取り出し、お母さんが持ってきたプリンは冷蔵庫にしまった。
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