天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 あれっ、もしかして片山さんの告白がモヤモヤしてる?

 そう感じた私は、勇気を振り絞り、再びハンドルを握った彼の頬に唇を押し付ける。


「え……」
「わ、私だって好きなんだから」


 目が点になっている彼に伝えると、「やられた」と目を細めた。


「それじゃあ今日は季帆が俺を抱いて」
「はーっ? 無理に決まってるでしょ?」


 どれだけハードル上げるのよ?


「なんで? 本当はエロい奥さまのくせして」
「誤解よ、誤解!」
「それじゃあ、ガツガツ攻められるほうが好きなんだ」


 どちらかというとそうだけど、恥ずかしすぎて『はい』と肯定できない。


「俺も攻めるほうが好き。早く帰ろ」


 妙にソワソワしている彼は、青信号に変わった途端アクセルを踏み発車させた。



 翌日から片山さんは精力的にリハビリに励み始めた。
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