天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 そうだとしたら、とんでもなく不器用だけど実は素直な人なのかも。


「謝れたなら心を入れ替えるだろ。季帆には我慢ばかりさせてごめん」


 どうして陽貴さんまで謝るの?


「ううん。私、長崎先生ともうまくやっていきたいの。だからもう我慢しない。腹が立ったらその都度言い返すようにする」


 きっと腹を割って仲良くするってそういうことだ。


「うん、それがいい。怒りを蓄積させるとろくなことがないからね。なあ、季帆。俺には我慢してない?」


 途端に弱々しくなる彼に驚いたが、私は口角を上げた。


「なにもない。陽貴さんは?」
「俺も。それどころか、日に日に好きが増してくる」


 思いがけずうれしい言葉をもらい、頬が緩む。


「それにしても、季帆の白衣姿しびれた」
「はっ、どんな目で見てるの?」
「そういう目だ。もちろん脳内で脱がしてみた」
「変態!」
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