天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 口をとがらせて彼の胸をトンと叩いたが、あっという間に捕まり抱き寄せられる。


「しょうがないだろ。あんなに輝いてる季帆を見たら、押し倒したくなるって」


 私、輝いてたかな? 
 へとへとにはなったけど、充実した一日だった。


「陽貴さん、ありがとう。私、やっぱりナースの仕事が好きみたい」
「うん、知ってる」


 彼は私の未練をずっと感じていたに違いない。

 だからこそクラークとして働くように仕向け、看護の最前線に近い場所で私の気持ちが整うのを待っていたのだ。


「これからもずっと俺を支えてくれる?」
「もちろん」


 陽貴さんの隣でサポートするのが私の夢でもあったし。


「プライベートもな」
「うん」
「それじゃ、とりあえず癒してくれない?」
「ん?」


 どういう意味なのかわからず首を傾げると熱い唇が重なり、ソファに押し倒された。


「いろいろ妄想しすぎて限界」
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