天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい

「本当ですね。つかめそうだ」


　忙しいはずなのに、こうやって患者さんに寄り添う彼がますます好きになる。


「そうそう。先生、この方のことお好きなんでしょう？」


　品川さんは陽貴さんに問いかける。


「あれっ。よく覚えていらっしゃいますね。大好きなんです。世界で一番」


　陽貴さんの返しに、恥ずかしさのあまり顔が火照りだす。


「ね、ク、ク……」
「クラークです」


　もう一度伝えると、品川さんは私の手を握った。


「そうそう、クラークさん。この先生どうかしら？　優しいし丁寧だし、なによりいい男でしょ？」


　まるで自分の息子を自慢するような口ぶりに、笑みがこぼれる。

　陽貴さんのことはしっかり覚えているなんて、よほど気に入られているんだな。


「香月、どう？」
「素敵な先生ですよ。尊敬しています」