天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 翌朝、開いた窓から吹き込んできた潮風の香りに鼻をくすぐられて目覚めると、隣に陽貴さんの姿がない。

 寝すぎたと思ってあわてて飛び起きたが、まだ七時だった。


「季帆、おはよ」


 どうやらシャワーを浴びていたらしい彼は、髪をタオルで拭きながらやってきてベッドに座りキスを落とす。


「早いね」
「うん。今日は忙しいぞ。季帆もシャワーする?」
「予定があるの?」


 なにも聞いていないけど、またサプライズでなにか用意しているのかな?


「うん。だから早めによろしく」


 首をひねりながらシャワーを浴びて出ていくと、テーブルに朝食が準備されていた。
 ルームサービスを頼んでくれたらしい。


 海を眺めながら朝食を終えると、すぐに「行こうか」と腕を引かれてホテルを飛び出した。
 レンタカーに乗り、海沿いの道をひた走る。


「ね、今日はどこに行くの?」
「まだ内緒」


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